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【レポート】777塾@京都_season1_1

2016.10.26

10/20(木)にMTRL KYOTOさんでおこなわれた777企画塾@京都 Season1「リデザインの思考法」の第1回目を受けにいってまいりました。

以前弊社野田がレポを書いておりました「出張777塾 /「なんクリ」の著者が届ける企画仕事の『考え方の考え方』」の実践講座編です。

 

まずは講師である株式会社777interactive代表取締役の福田敏也さんの自己紹介からはじまりました。

CMプランナーとして活躍されたのち博報堂電脳体の設立とともにデジタルクリエイティブの世界へはいられ、以降インタラクティブメディアにとどまらずいろんな方面でご活躍されています。

 

福田さんはご自身を、
「美大を出ていないのにデザインを仕事にしていて、美大のデザインの教授にもなり、デザイナーでもないのにたくさんの国際デザイン賞を受賞し、国際賞から審査を依頼される変種」
だとおっしゃっておられました。専門教育を受けずにその分野の権威になるってすごいことだなと思います。

さて、今回の企画塾のテーマはリデザインの思考法ということで福田さんが12年にわたってまとめていかれたリデザインのためのメソッド「○○ってなんだっけカルテ」を学びます。

この「○○ってなんだっけカルテ」というのは、福田さんがこれまでの経験から生み出された「脳みそマネージメント(考えるクセ付け)」をするための重要な手順(メソッド)です。

 

この日の第1回は、そもそもデザインとは何か?というお話から、切手のリデザインをサンプルとして「○○ってなんだっけカルテ」の概要まで。

 

と、詳しい説明の前にいきなりこんな課題が!

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20分ほど経ったところで「じゃあだれか発表したいひと」と言う流れに…。

 

会場に早く着き、置いてあったペーパーで予習をしていたにもかかわらず「ホチキス」「クレカ」というありきたりな答えしか用意できず、何十年かぶりに「下を向きすぎず前も向きすぎない当てられないためのメソッド」を実践していると、一緒に来ていた弊社社長が当てられ思いつきのリデザインをあげていました。本人は楽しそうに発表してたけど、ちょっとずれてる気が…。

 

その後メソッドの詳しい説明があったのですが、まず何も知らない状態で考えて、その後詳しく知るというのもサボり人間の「脳みそマネージメント」に良いということでした(よかったですねえ社長!)。

 

詳しい説明のあと、改めて手順を追ってみていくうちに、自分ではしっかり考えていると思っていても、全然想定できていなかったことなどに気づいたり自分の考え方のクセが見えてきたりして、考え方が深まっていっていることを実感しました。

 

メソッドに沿って考えることももちろんですが、メソッドを基に枝葉末節を自分に合わせて付け足ししていく作業も「脳みそマネージメント」につながるのだと思います。漠然と考えているのでは多分同じところをグルグル回転しているだけで、こんなに要領よく考えが深まることもないんでしょうね。

 

僕自身ほんとにもうとにかく考えることだけでなく何でもサボるし、論理的組み立てにものすごく不安があるので、「こりゃ相当いい学びになる!」とわくわくしています。あと2回がんばります!

 

 

下川

 

 

 

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オシャレ感漂い緊張し、かなり脳みそを使い緊張する講座の様子です。

【社員研修】Fusion360講習会

2016.9.29

9/23(金)にYOKOITOさんに3D CAD/CAM/CAE ツール、Fusion360の講習を受けにいってまいりました。

 

会場はYOKOITOさんが入居されている、京町家をリノベーションした工房付きシェアスペース「N5.5(エヌゴウテンゴ)」(10/1(土)オープン)内の工房スペース。

古い京町家のなかにハイテク感あふれる3Dプリンタやレーザーカッター、CNCフライスなどが置いてあり、ふすまが一面ホワイトボードになっている面白スペースでした。

 

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講師をしてくださったのはフリーランスで研究開発をされている足立 正さん。元は国内最大手某家電メーカーに勤務されていたそうです。

 

家電メーカーでのお仕事内容などを交えつつ3Dモデリング、デジタルファブリケーション界隈などについてお話を伺い、「ほへー」となったところから講習スタート。

講習の時間中に3Dプリンタでの出力の実演もしていただきました。

 

 

今回教えていただいたAutodesk fusion360は

“今までにない3D CAD/CAM/CAE ツールです。製品開発に必要な全てのプロセスを、クラウド上のプラットフォームで繋ぐことができます”

http://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview

 

だそうで、データをクラウドに保存して、他の人と一緒に編集したり、クラウド上で画像などにレンダリングしたりといったことができます。

しかも非営利・趣味用途であれば無料で使いつづけることができるのです!

 

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(fusion360の操作画面。操作に必要なものほとんどにアイコンがついていて、慣れればすごく使いやすい雰囲気です)

 

 

3DCGについてほとんどファーストコンタクトだったのですが、足立さんの丁寧な教え方もあり、最終的に3時間で某携帯電話会社のwifiルーターの3DCADデータを作成することができました。

3Dモデルを作るための2Dでの図形の描き方という基礎の基礎からはじまり、構造を作る上で重要な図形に拘束をかけるということや、平面から図形を押し出して立体にするといったことを教わり、すべてに「ほへー」となりながら勉強できました。

 

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(画像データとして出力したり)

 

 

 

 

 

(3Dデータをwebに埋め込んだりできます)

 

 

3DCADということで、とっても難しいんだろなと思っていましたが、ひとつひとつの作業を区切りをつけたり系統立ててやりさえすれば、ものすごい速さで折り目正しい立体物が作れて、そんなに怯えるほどのことでもないのかな?と思いました。

 

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(この形状のカドをとりたいと思ったら一瞬にして)

 

 

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(こう。自力で削ると大変)

 

 

あと、デザインチームで盛り上がったのがこのfusion360というソフトの作業履歴のありようで、写真の一番下にアイコンがならんでる部分が履歴をあらわしており、すべての工程に戻って作業でき、最新の形状に反映させるという機能でした。いろいろ試しながら「デザイン系ソフトにもこの機能が欲しいね」なんて話してました。

 

そうして最後に3Dプリンタで出力し終わったスマートフォン置きをお土産にいただき、「出産祝いを」とか、「スタインバーガーのパーツが」などと3Dファブリケーションとともにある未来への夢に胸を膨らませながら帰路についたのでした。

 

 

デジタル系制作会社に属し、「ファブラボ京都にけっこうできてきてるなー」とか、「3Dプリンタどんどん値段下がってるなー」などと思いつつも、デジタルファブリケーションにはまだだいぶ心理的に距離があるのかなと思っていましたが、今回無料の3Dモデリングソフトをかじったことで、ぐっと親近感がわきました。

 

何でもひとかじりさえすれば次に踏み出せる気になるということがわかり、大変勉強になる講習会でした。

 

YOKOITOの中島さん、足立さんありがとうございました!

 

株式会社 YOKOITO

住所:〒600-8188 京都府京都市下京区東洞院通五条下ル和泉町529

TEL:050-3754-1803

WEBサイト:http://yokoito.co.jp/

 

 

下川

 

【イベント参加レポ】出張777塾 /「なんクリ」の著者が届ける企画仕事の「考え方の考え方」

2016.5.17

5/12(木)にMTRL KYOTOで開催された、
「出張777塾 /「なんクリ」の著者が届ける企画仕事の『考え方の考え方』」に参加しました。

講師は、株式会社777interactive代表取締役の、福田敏也さん。
博報堂 Creative x Technology Center センター長、
大阪芸術大学 デザイン学科教授、
FabCafe 創設メンバー /YouFab Global Creative Award チェアマンも務めていらっしゃる方です。

80年代に広告業界に入られてから、広告プランニング&ディレクションに従事。
アナログ、デジタルと、媒体を超えたコミュニケーション設計のプロとして、
これまでに本当に様々な活躍をされています。
2009年、ルパンが渋谷のモアイ像を盗むというプロモーションが大きな話題になった、
LUPIN STEAL JAPAN PROJECT」も福田さんのお仕事のひとつです。

そんな「企画のプロ」である福田さんによる、
「企画仕事の『考え方の考え方』」についてのトークイベントに、
わたくし野田が行ってまいりました。

それがもう、ものすごくおもしろくて…。
今回は、野田が学んだことをこちらにまとめたいと思います。



そもそも、思考の態度には2種類ある。

そもそも思考パターンには「固定型」と「成長型」の2種類があるらしい、
と福田さんはお話されていました。

「固定する思考」は、
かしこく見られたい”という気持ちから生まれます。
自分が成功し「凄い!」とか「偉い!」とか褒められることにこだわるので、
失敗や批判を恐れ、結果、チャレンジを避けてこれまでの“鉄板ネタ”に固執するようになります。
常に自分は評価対象にあると思い込んでおり、また、人の成功を見るのが嫌なタイプです。
わかります。ねたましいですもんね。

逆に「成長する思考」は、
かしこくなりたい”という気持ちから生まれます。
もっと学びたい、変わりたいという気持ちが強いので、基本的にチャレンジを好みます。
批判、失敗から学び、他人の成功からも貪欲に学びます。

どっちが良い企画を生み出すかは、言わずもがな。



企画マンは、時代を漂う存在である。

めまぐるしく変化する現代において、企画する人自身もどんどん変化が求められます。
いろんな方法に出会い、試し、犯され、変化し続けること。
そうすることで、いくつになっても人は成長できると、福田さんは信じているそうです。
「凄い人は、最初から凄いんじゃなくて、見えないところでいっぱい足かきしている」
恥をかいてもいい、学べるのであれば」という言葉が印象的でした。



それから、脳のクセにも2種類ある。

「ロジック派」と「エモーション派」です。
論理的分析・設計が得意なのか、それとも感覚的ジャンプ・ひらめきが得意なのか。
その自己内バランスを常に意識し、自分の脳のクセを認識することが大事ということでした。
私はどちらかと言うとエモーショナルなひらめき派…というか、
ロジック的な考え方が苦手なので、ひらめきばかりに甘んじるのではなく、
ロジック的な考え方も意識するよう心がけようと思います。



「良い企画」の基準って何だろう?

「新しい」ものは、昨日までのいろいろと比べられて初めて「新しい」と言われます。
つまり、「新しい」とか「斬新」とか
は、常に相対的でものさしが必要なものです。
何となく思いついたものが「新しい」のは天才であって、
天才でない私なんかは「新しい」ものを生み出すために、
過去のものとの差別化を図らなくてはなりません。

まず、過去の優れた作品を基準として選ぶ。
そして、「なぜそれが優れているのか」を分析する。
その作品よりもどのように「新しく」なるのかを考える。→この差分が「企画」

「差分は、目標となるものがあって初めて生まれる」
ということで、福田さんは企画を考えるときに、膨大な過去の実績を見るそうです。
そこからどういうふうにジャンプするか。「新しく」なれるか。
ということなんですね。



「差分」を生み出すトレーニング。

その「差分」を生み出すのって、才能じゃないの…?
と思う私でしたが、福田さんいわくトレーニング方法があるそうです。

ひとつは、“かっこいい!”“イケてる!”“おもしろい!”と感動した際に、
「なぜそう感じたのか?」と考え、言語化すること。
何となく過ごしてると流れてしまいがちですが、
きちんと言語化することで自分の中に方法論が定着します。
それがいわゆる「引き出し」の数なんだなと納得。

もうひとつは、
毎日を過ごす上で「今日は、きのうより新しい自分でいること」。
昨日の自分を基準として、今日の自分はどのくらい差をつけられるか。
それを毎日するだけで、ものすごいトレーニングになりそうです。

ちなみに福田さんはものすごく食べることが好きで、
土日にはお料理をされるらしいのですが、
現在「うまいおにぎりを作る」という試みにハマっているそうです。

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角煮おにぎりとか、しそあさりおにぎりとか、いろいろ写真を見せていただきました。
おいしそうでお腹が減りました。

今回のイベントでは、福田さんが考案された、

こがし醤油たまねぎおにぎりと、レモンチキンナンプラーおにぎり(だったかな?)を
食べることができて、私は後者をいただいたのですが、
これがめちゃくちゃおいしくてものすごく感動しました。

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私はおにぎりが大好物でして、毎朝おにぎりを食べているのですが、
常に塩むすびに海苔なんですよねえ。
「いや、もうこれが最高の形だから。完成形だから」
と思ってるふしがあるっていうのもあるんですけども、
それって固定型の思考パターンやんってこの日なんか大きなショックを受けました。

昨日よりおいしい今日のおにぎりとは…。
と、ほおばりながら思考の海に漂う野田でした。



強烈な自分がないと、イタコになれない。

あと、個人的にめちゃくちゃおもしろいなと思ったのは、
福田さんのお知り合いのコピーライターさんの、「俺はイタコだ」発言。
そちらを引用して、福田さんも「僕もそうだと思います」とおっしゃっていました。

なぜこんなにも柔軟に、いろいろな企画やコピーが考えられるのか?
それは、企画やコピーを考える際、自分が消えて、何かに乗り移られている状態だから。
その「何か」とは、クライアントであったり、顧客であったり、時代の波であったりするのかもしれません。
自分から離れることで、より遠くに行けるってことなんだろうと思います。

でも、そうやって乗り移られるには、矛盾しているようですが、
「強烈な自分」がいないといけない。
そうでないと、完全に流されてしまうからです。
イタコだって自分がないと、戻ってこれなくなってしまいますもんね。

福田さんいわく、
「守るべき自分は1割、あとの9割はどうでもいい」ということでした。
だからなのか、福田さんは「柔軟なのにものすごく頑固」と言われるのだそうです。

私はライターとしてインタビュー記事を書く際に、よくこの状態になります。
90%自分が取材対象者になりきって書いているのを、
10%の本来の自分が読んでたまに感想をつぶやく、という感じです。

その10%の自分がちゃんとしていないと、
「これっておもしろいの?」ってよくわかんなくなるんですよね。
たまにわかんなくなってしまって、他の人に「これっておもしろい?」って
聞いてしまうんですけども。

福田さんのそのお話を聞いて、
「10%の自分を、常にアップデートしていよう」と思いました。

本当におもしろいトークイベントで、大変勉強になりました。
その他にもたくさん気づきがあったのですが、ここらへんで。
福田さん、ありがとうございました!



後日、福田さんの著書
『なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人の
なんとなくをなんとなくじゃなくする本 なんクリ』を購入。

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なんとなくをなんとなくじゃなくしたら、
結構なんでもできそうな気がしますね。


と元気づけられた野田でした。


【PMヘの道3】「プロジェクト計画書」とは?@WebPM体験共有会

2016.4.15

プロジェクトが発生した時、どんなふうに計画を立てますか?

今回は、プロジェクトの「計画」部分についてです。

プロジェクトが発生したらまず出てくる「計画」。
しかし、「計画」ってそもそもどうやって立てるのがいいのでしょうか?

私はこのあいだまで、まずプロジェクト概要とスケジュールを用意していました。
しかし、その内容がすべて自己流でどうも心もとない。
そもそもプロジェクト「概要」って何の項目が必要で不要なの?
「概要」+「スケジュール」=「計画」と言っていいの?と手探り状態。

いや、そもそものそもそも、「計画」って誰のために、何のために立てるのか。
自社チームでの共有のため?クライアントとの合意のため?

と、何だか闇雲に立てられてる感がすごい私の「計画」…。

プロジェクトをマネジメントするのが専門の世のプロマネさんたちは、
どんな計画書を作っているんだろう?といつも気になっておりました。


3月15日に、OPEN “VERSION UP” PROJECTの一環として行われた、
2回目の「WebPM体験共有会@大阪」のテーマはまさにそれ。
ロフトワーク・入谷さんの「プロジェクト計画書」編!

年間約300件のWEBプロジェクトを担うロフトワークさん。
まさにPMのプロである彼らが日常業務で使っている
「プロジェクト計画書」とはどんなものなのでしょうか?



ロフトワークさんの「プロジェクトマネジメント計画書」

ロフトワークさんではWEBプロジェクトが発生した際、
必ず最序盤に「プロジェクトマネジメント計画書」(以下PM計画書)を作成されるとのこと。
さらにその計画書をシニアマネージャーが確認し、レビューを受けることが必須とされているのだそうです。
社内でもそのひな形はしばしばアップデートされ、試行錯誤を重ねていらっしゃるのだとか。

入谷さんいわく、「PM計画書」とは

“スコープ・スケジュール・コストなどすべての知識エリアを横断した、
プロジェクト計画の「集大成」であると同時に、プロジェクトを通じて
「更新」されていく共通理解の基盤”

ということ。
つまり、
・様々な視座からプロジェクトを見ること
・みんなで共通の理解を得ること
を目的とした計画書です。

入谷さんのスライドはこちらから見ることができますのでぜひどうぞ。

以下は、復習的にまとめた私のメモです。
今回もずらずら文字ばかり並んでおりますが、何かのご参考になれば。
———————————–
【フォーマット】
WordでもGoogleDocs.でも、管理しやすいものを使えばOK。

【目次】
PM計画書は、以下の9つの項目で成り立っている。

統合
 プロジェクト発生の背景・目的・目標。
 背景…なぜこのプロジェクトが生まれたか。課題。
 目的…最終的に達成したいものは何か。
 目標…目的到達のための具体的な目安(数値目標)。

スコープ
 作業範囲のこと。
 納品する成果物と、そのための作業内容を挙げる。
 逆に、やらないことも明記しておくとなお良し。
 クライアント側の作業内容もリストアップする。
 →これが見積の基礎になる。

タイム
 スケジュール。
 スコープで明確にした作業内容を時系列に落とし込む。

調達
 外から調達しなくてはいけないもの。
 例えば、外部業者さん、素材、サーバー、ドメイン、ライセンスなどなど。

コスト
 プロジェクトにかかる費用を洗い出します。
 
品質
 成果物の品質(完成度)と、それを達成するための手法。
 例えば、バグをなくすためにどのような方法でテストするのか、
 質の高いデザインを担保するために何をするのかなど。
 また、ここまではやります、というのもここで明示。例えば対応ブラウザとか。
 
ステークホルダー
 チーム、クライアントなど、関係者をすべて洗い出した体制図。
 誰が窓口で、誰がリーダーで、誰が決定権を持っている人なのか?など、
 各人の役割と責任を明確にする。

コミュニケーション
 ステークホルダー同士でのコミュニケーションルール。
 プロジェクトの管理ツールは何を使う?
 定期的に対面での打ち合わせをする?
 意思決定で困ったらどういうふうに決める?などなど。

リスク
 「起こったら嫌なこと」のリストアップ。
 スケジュールの遅延、途中での予算オーバー、公開時にバグがいっぱいある…
 などなど、「起こったらやだな〜」ということをリストアップし、
 ではそれが起こらないようにするにはどうしたらいいか?を考える。
———————————–


そもそも「PM計画書」は誰のために、何のためにあるのか

今回の体験共有会でおもしろいなと思ったのは、
そもそも「PM計画書」との存在理由とは?という話が改めて出たことでした。

・チームメンバー、クライアントとの計画共有
・解釈のすりあわせ
・プロジェクト合意
・コミュニケーションの惹き付けツール
・社内での先輩・後輩の仕事チェックツール
・プロジェクト遂行プロセスの一環

私は面倒臭がりなので、上記の全部がこれひとつでできたらいいと思います。



真似して「PM計画書」を作った感想

ちなみにこちらが入谷さんが用意されたひな形です。
勉強になるな〜!ということで、
私も見よう見まねで実際に「PM計画書」を作りました。

素直な感想を申し上げますと、
「これ、絶対要る」
でした。

特にスコープは、入谷さんのひな型を見て
「これまで私の作ってたのは大雑把すぎたな」と反省しました。
マスト作業から何となくやっていたことまで、
とにかく作業と呼ばれるものすべて文字に起こしたら、
見積の見方やスケジュールの組み方も全部変わってきました。
また、お客様の作業内容も明確にすることで、
「あれって私がやるんだっけ?」もなくせるので効率的。

まずはこちらを使用しながら、ひとつプロジェクトを遂行して、
反省会をしてみたいと思います。


あとこの「PM計画書」って何にでも使えそうですね。
ダイエットとか貯金とか受験とか…
ちょっと今度私生活でも作ってみようなどと思う野田でした。

ではでは。

【PMへの道2】体験共有会で学んだPMの「仕組み化」

2016.3.16

こんにちは、野田です。
昨日より始まりました連載、「PMへの道」。
こちらでは翠灯舎のディレクター野田が、
プロジェクトマネジメント(略してPM)を
楽しく学ぶ様子を書き綴っていきたいと思います。


さて、2月8日に、OPEN “VERSION UP” PROJECTの一環として
「WebPM体験共有会@大阪」が行われました。

ひとりの話し手によるショートプレゼン&公開インタビュー形式で、
Webに関わるプロジェクトマネージャー同士で経験を共有するこの会。

マニュアルのないプロジェクトマネジメントという仕事を、
他の会社のみんなはどんなふうに普段行っているだろう?
と日々気になっていたので、意気揚々と私も梅田まで出かけてまいりました。


今回の話し手は、マーケティングプロデューサー・Mharuさん。
メインテーマは『コミュニケーションマネジメント』です。
Mharuさんいわく、
問題の9割はコミュニケーションのズレが原因で起きている
とのこと。
そのほとんどはカリスマ性や人情などではなく、『仕組み』で解決できる
ということでした。

当日は私が聞き手となり、インタビューをさせていただきました。
仕事を円滑に進めるための、Mharuさんの『仕組み』とはどんなものなのでしょう?
いろいろ聞きたいことがあったので、前もって全部質問を投げさせていただいたのですが、
当日Mharuさんが準備万端状態でお応えくださったので、大変大変勉強になりました。
Mharuさんありがとうございました!

詳しくは、Mharuさんが後日挙げてくださったスライドでどうぞ。
>>>『プロジェクトマネジメントは仕組み化が9割』



本ブログでは、野田が特に大事だなあと思ったことを
復習的にまとめていこうと思います。
今回聞き手としてインタビューするのに必死でまったく写真撮ってません。
ずらずら文字ばかり並んでいますが良かったらお読みください。


1)話し手のMharuさんについて

Mharuさんの経歴はこんな感じです。

・大手SIerで、SEとして大規模な基幹システムの設計・開発・運用に従事。

・Webベンチャー企業に転職後、Webサイトや構築・システム開発を担当。
 →その後、ディレクター・プロジェクトマネージャーを経てマーケターに。

・【現在】企業のマーケティング活動を支援する、マーケティングプロデューサーとして活躍中。

もともとは現場でごりごりに手を動かす立場にいらしたMharuさん。
年月とともに、進行管理・仕組み作りをする立場へと変わっていかれました。

そんなMharuさんのプレゼンタイトルは
『プロジェクトマネジメントは仕組み化が9割』。

「僕は面倒くさがりなので、何でも仕組みにしたがるんです。
一回仕組みにしてしまえば、後々ラクですから。
何か問題が起こるたび、今後それを繰り返さない「仕組み」を考え、
すぐに取り入れて実践するようにしています」
とのことでした。



2)「グループ」と「チーム」の違い

まずは「グループ」と「チーム」の違いについてきちんと理解する、
ということからお話が始まりました。

「グループ」とは、共通の性質で分類した一団のこと。
例えば、“営業”、“デザイナー”、“コーダー”などで分類したときの群のことです。
こちらは個々のメンバーの力が足し算されて成果に繋がります。

一方「チーム」は、共通の目的のために協力して行動する集団のこと
同じ目的を果たすために、各役割を担った人がひとところに集まった状態、
という感じでしょうか。
こちらは個々のメンバーの力が掛け算されて成果に繋がります

PMはこの「チーム」をきちんと動かしていくことが大事。
そのためにも、
・チームの目標
・メンバーの役割と責任範囲
・評価基準
この3つの明確化が必要であるということでした。

つまりこれ、チーム内部の仕組み化です。
実際人が集まると、すぐにプロジェクトに向き合ってしまいがちですが、
まずは内部できちんと体制を整えて仕組みを作ってから、
プロジェクトに取り組むという流れが大切なんですね。

そうしないと、いったいどこに向かい、何のために頑張っているのかわからなくなる。
誰が何を担い、どのように動いたら評価・成果に繋がるのかわからなくなる。
チームの力を健全に掛け算するためにも、まずは内部から整えること。

また、Mharuさんは「問題を言い合える」関係を築くことを大事にされていました。
意識的にチーム内の人をランチに誘ったり、飲み会を設定したりしながら、
普段思っていることを聞き出したりしているそうです。



3)Mharuさんのプロジェクトマネジメント7つ道具

個人的にはこちらが一番興味深い内容でした。
複数案件を抱えていると、「あれってどうなってたっけ?」
ということが起きてしまいがち。
それを防ぐためにもしっかりドキュメント化するのが大事。
Mharuさんは普段、以下の7つの資料を作っているとのことでした。

1. 体制図
プロジェクトに関わるメンバーを明確にし共有するための図。
・社内メンバー&外注先メンバー…誰が何を担当するかの明確化。
・お客様側の体制図…窓口、承認、決済など、キーパーソンの明確化。

2. ガントチャート
チーム内&お客様側のタスクの洗い出しと、それをスケジューリングしたもの。
定期的に確認・見直しをしながら、全体スケジュールを俯瞰する。

3. 施策マップ
お客様のビジネスモデル・施策を把握するマップ。
どんなチャネルを持っていて、どこで収益を上げているのかを一枚のマップに落とし込む。
それをもとに課題を見つけ出し、新しい提案をする。

4. 業務フロー図
リリースにいたるまでの業務の流れを見える化したもの。
おおまかな「やること」&「やる人」リストといった感じ。
お客様のチェックがどの時点で入るのかも明記しておくと◎。

5. 障害発生時のレポートライン
名前の通リ、何かあったときのための連絡網。
誰に何をいちばんに伝えるのか、担当者が不在の場合どうするのかなども
併記しておくことがポイント。

6. 予実管理表
チーム内での、売上・粗利率・予実乖離率を算出した表。
見積の金額で本当に良かったのか?
もし見積もっていた工数よりも実績工数が大幅にオーバーしていた場合、
何が原因だったのか?
次に活かして負担を少なくするために作るもの。

7. 振り返りシート
案件終了後にメンバー全員で振り返るときに使うシート。
続けたいこと、問題点、今後やりたいこと、
この3つを軸に反省会をする。
同じミスを繰り返さず、次回からの生産性を上げるため。
おそらくここで仕組み化の種が見つかるはず。

以上の7つがMharuさんの必須道具。
ぜ、全部ものすごく要るものだ!!と思ったので、
私もぜひ取り入れようと思います。



4)成果物に対するチェック基準

あととても気になっていたのが、できたものに対して
どのように「OK!これで納品だ!」とGOを出しているのか?ということ。

たとえばデザイナーがあげてきてくれたデザインに対し、
デザイナーではなプロマネがどういうふうに「OK」か「やり直し」かを
判断するのかなと疑問に思っておりました。

その質問に対し、Mharuさんは簡潔に
「論理的に矛盾していないかどうか」
で判断すると答えてくださいました。

そのデザイン、お客様の要望を満たしている?
ユーザーにとって使いやすい?
コンセプトとずれていない?
前やった失敗もっかいやってない?

好きとか嫌いとかではなく、ただただ論理的に判断する。
そうすることで、デザイナーにも的確な指示が出せるし、
お客様にも自信をもって説明できるということでした。



5)まとめ

プロマネをする上で、気をつけていることをいろいろうかがいましたが、
総じて言えるのは
仕事はひとりでするものじゃないということを理解する
ということだったと思います。

強みも、考え方も、価値観も異なる人間同士が集まったチームだからこそ、
みんなが使える、理解できる仕組みが大事。

みんなが気持ちよく働けるように、各人が最大限パワーを出せるように、
環境を整えてあげることがプロマネの仕事なんだなあと思いました。



余談ですがMharuさんはほぼ残業をしないそうです。
定時であがったあとは、書店で仕事に役立つ本を探して読むのが日課なのだとか。
まさにご自分の生活をマネジメントされているなあ…と見習いたい気持ちでいっぱいです。

おすすめされていた本、
『大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント』
『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』
も読んでみようと思います。

Mharuさんありがとうございました!

野田

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