翠灯舎 | Suitosha Inc. 翠灯舎 Suitosha Inc.

【イベント参加レポ】出張777塾 /「なんクリ」の著者が届ける企画仕事の「考え方の考え方」

2016.5.17

5/12(木)にMTRL KYOTOで開催された、
「出張777塾 /「なんクリ」の著者が届ける企画仕事の『考え方の考え方』」に参加しました。

講師は、株式会社777interactive代表取締役の、福田敏也さん。
博報堂 Creative x Technology Center センター長、
大阪芸術大学 デザイン学科教授、
FabCafe 創設メンバー /YouFab Global Creative Award チェアマンも務めていらっしゃる方です。

80年代に広告業界に入られてから、広告プランニング&ディレクションに従事。
アナログ、デジタルと、媒体を超えたコミュニケーション設計のプロとして、
これまでに本当に様々な活躍をされています。
2009年、ルパンが渋谷のモアイ像を盗むというプロモーションが大きな話題になった、
LUPIN STEAL JAPAN PROJECT」も福田さんのお仕事のひとつです。

そんな「企画のプロ」である福田さんによる、
「企画仕事の『考え方の考え方』」についてのトークイベントに、
わたくし野田が行ってまいりました。

それがもう、ものすごくおもしろくて…。
今回は、野田が学んだことをこちらにまとめたいと思います。



そもそも、思考の態度には2種類ある。

そもそも思考パターンには「固定型」と「成長型」の2種類があるらしい、
と福田さんはお話されていました。

「固定する思考」は、
かしこく見られたい”という気持ちから生まれます。
自分が成功し「凄い!」とか「偉い!」とか褒められることにこだわるので、
失敗や批判を恐れ、結果、チャレンジを避けてこれまでの“鉄板ネタ”に固執するようになります。
常に自分は評価対象にあると思い込んでおり、また、人の成功を見るのが嫌なタイプです。
わかります。ねたましいですもんね。

逆に「成長する思考」は、
かしこくなりたい”という気持ちから生まれます。
もっと学びたい、変わりたいという気持ちが強いので、基本的にチャレンジを好みます。
批判、失敗から学び、他人の成功からも貪欲に学びます。

どっちが良い企画を生み出すかは、言わずもがな。



企画マンは、時代を漂う存在である。

めまぐるしく変化する現代において、企画する人自身もどんどん変化が求められます。
いろんな方法に出会い、試し、犯され、変化し続けること。
そうすることで、いくつになっても人は成長できると、福田さんは信じているそうです。
「凄い人は、最初から凄いんじゃなくて、見えないところでいっぱい足かきしている」
恥をかいてもいい、学べるのであれば」という言葉が印象的でした。



それから、脳のクセにも2種類ある。

「ロジック派」と「エモーション派」です。
論理的分析・設計が得意なのか、それとも感覚的ジャンプ・ひらめきが得意なのか。
その自己内バランスを常に意識し、自分の脳のクセを認識することが大事ということでした。
私はどちらかと言うとエモーショナルなひらめき派…というか、
ロジック的な考え方が苦手なので、ひらめきばかりに甘んじるのではなく、
ロジック的な考え方も意識するよう心がけようと思います。



「良い企画」の基準って何だろう?

「新しい」ものは、昨日までのいろいろと比べられて初めて「新しい」と言われます。
つまり、「新しい」とか「斬新」とか
は、常に相対的でものさしが必要なものです。
何となく思いついたものが「新しい」のは天才であって、
天才でない私なんかは「新しい」ものを生み出すために、
過去のものとの差別化を図らなくてはなりません。

まず、過去の優れた作品を基準として選ぶ。
そして、「なぜそれが優れているのか」を分析する。
その作品よりもどのように「新しく」なるのかを考える。→この差分が「企画」

「差分は、目標となるものがあって初めて生まれる」
ということで、福田さんは企画を考えるときに、膨大な過去の実績を見るそうです。
そこからどういうふうにジャンプするか。「新しく」なれるか。
ということなんですね。



「差分」を生み出すトレーニング。

その「差分」を生み出すのって、才能じゃないの…?
と思う私でしたが、福田さんいわくトレーニング方法があるそうです。

ひとつは、“かっこいい!”“イケてる!”“おもしろい!”と感動した際に、
「なぜそう感じたのか?」と考え、言語化すること。
何となく過ごしてると流れてしまいがちですが、
きちんと言語化することで自分の中に方法論が定着します。
それがいわゆる「引き出し」の数なんだなと納得。

もうひとつは、
毎日を過ごす上で「今日は、きのうより新しい自分でいること」。
昨日の自分を基準として、今日の自分はどのくらい差をつけられるか。
それを毎日するだけで、ものすごいトレーニングになりそうです。

ちなみに福田さんはものすごく食べることが好きで、
土日にはお料理をされるらしいのですが、
現在「うまいおにぎりを作る」という試みにハマっているそうです。

IMG_4736

角煮おにぎりとか、しそあさりおにぎりとか、いろいろ写真を見せていただきました。
おいしそうでお腹が減りました。

今回のイベントでは、福田さんが考案された、

こがし醤油たまねぎおにぎりと、レモンチキンナンプラーおにぎり(だったかな?)を
食べることができて、私は後者をいただいたのですが、
これがめちゃくちゃおいしくてものすごく感動しました。

IMG_4737

私はおにぎりが大好物でして、毎朝おにぎりを食べているのですが、
常に塩むすびに海苔なんですよねえ。
「いや、もうこれが最高の形だから。完成形だから」
と思ってるふしがあるっていうのもあるんですけども、
それって固定型の思考パターンやんってこの日なんか大きなショックを受けました。

昨日よりおいしい今日のおにぎりとは…。
と、ほおばりながら思考の海に漂う野田でした。



強烈な自分がないと、イタコになれない。

あと、個人的にめちゃくちゃおもしろいなと思ったのは、
福田さんのお知り合いのコピーライターさんの、「俺はイタコだ」発言。
そちらを引用して、福田さんも「僕もそうだと思います」とおっしゃっていました。

なぜこんなにも柔軟に、いろいろな企画やコピーが考えられるのか?
それは、企画やコピーを考える際、自分が消えて、何かに乗り移られている状態だから。
その「何か」とは、クライアントであったり、顧客であったり、時代の波であったりするのかもしれません。
自分から離れることで、より遠くに行けるってことなんだろうと思います。

でも、そうやって乗り移られるには、矛盾しているようですが、
「強烈な自分」がいないといけない。
そうでないと、完全に流されてしまうからです。
イタコだって自分がないと、戻ってこれなくなってしまいますもんね。

福田さんいわく、
「守るべき自分は1割、あとの9割はどうでもいい」ということでした。
だからなのか、福田さんは「柔軟なのにものすごく頑固」と言われるのだそうです。

私はライターとしてインタビュー記事を書く際に、よくこの状態になります。
90%自分が取材対象者になりきって書いているのを、
10%の本来の自分が読んでたまに感想をつぶやく、という感じです。

その10%の自分がちゃんとしていないと、
「これっておもしろいの?」ってよくわかんなくなるんですよね。
たまにわかんなくなってしまって、他の人に「これっておもしろい?」って
聞いてしまうんですけども。

福田さんのそのお話を聞いて、
「10%の自分を、常にアップデートしていよう」と思いました。

本当におもしろいトークイベントで、大変勉強になりました。
その他にもたくさん気づきがあったのですが、ここらへんで。
福田さん、ありがとうございました!



後日、福田さんの著書
『なんとなく企画クリエイティブの仕事をしたいと思っている人の
なんとなくをなんとなくじゃなくする本 なんクリ』を購入。

51WxvfqAqwL

なんとなくをなんとなくじゃなくしたら、
結構なんでもできそうな気がしますね。


と元気づけられた野田でした。


Offer to Us

to Top Page

Contact

Contact