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【PMへの道2】体験共有会で学んだPMの「仕組み化」

2016.3.16

こんにちは、野田です。
昨日より始まりました連載、「PMへの道」。
こちらでは翠灯舎のディレクター野田が、
プロジェクトマネジメント(略してPM)を
楽しく学ぶ様子を書き綴っていきたいと思います。


さて、2月8日に、OPEN “VERSION UP” PROJECTの一環として
「WebPM体験共有会@大阪」が行われました。

ひとりの話し手によるショートプレゼン&公開インタビュー形式で、
Webに関わるプロジェクトマネージャー同士で経験を共有するこの会。

マニュアルのないプロジェクトマネジメントという仕事を、
他の会社のみんなはどんなふうに普段行っているだろう?
と日々気になっていたので、意気揚々と私も梅田まで出かけてまいりました。


今回の話し手は、マーケティングプロデューサー・Mharuさん。
メインテーマは『コミュニケーションマネジメント』です。
Mharuさんいわく、
問題の9割はコミュニケーションのズレが原因で起きている
とのこと。
そのほとんどはカリスマ性や人情などではなく、『仕組み』で解決できる
ということでした。

当日は私が聞き手となり、インタビューをさせていただきました。
仕事を円滑に進めるための、Mharuさんの『仕組み』とはどんなものなのでしょう?
いろいろ聞きたいことがあったので、前もって全部質問を投げさせていただいたのですが、
当日Mharuさんが準備万端状態でお応えくださったので、大変大変勉強になりました。
Mharuさんありがとうございました!

詳しくは、Mharuさんが後日挙げてくださったスライドでどうぞ。
>>>『プロジェクトマネジメントは仕組み化が9割』



本ブログでは、野田が特に大事だなあと思ったことを
復習的にまとめていこうと思います。
今回聞き手としてインタビューするのに必死でまったく写真撮ってません。
ずらずら文字ばかり並んでいますが良かったらお読みください。


1)話し手のMharuさんについて

Mharuさんの経歴はこんな感じです。

・大手SIerで、SEとして大規模な基幹システムの設計・開発・運用に従事。

・Webベンチャー企業に転職後、Webサイトや構築・システム開発を担当。
 →その後、ディレクター・プロジェクトマネージャーを経てマーケターに。

・【現在】企業のマーケティング活動を支援する、マーケティングプロデューサーとして活躍中。

もともとは現場でごりごりに手を動かす立場にいらしたMharuさん。
年月とともに、進行管理・仕組み作りをする立場へと変わっていかれました。

そんなMharuさんのプレゼンタイトルは
『プロジェクトマネジメントは仕組み化が9割』。

「僕は面倒くさがりなので、何でも仕組みにしたがるんです。
一回仕組みにしてしまえば、後々ラクですから。
何か問題が起こるたび、今後それを繰り返さない「仕組み」を考え、
すぐに取り入れて実践するようにしています」
とのことでした。



2)「グループ」と「チーム」の違い

まずは「グループ」と「チーム」の違いについてきちんと理解する、
ということからお話が始まりました。

「グループ」とは、共通の性質で分類した一団のこと。
例えば、“営業”、“デザイナー”、“コーダー”などで分類したときの群のことです。
こちらは個々のメンバーの力が足し算されて成果に繋がります。

一方「チーム」は、共通の目的のために協力して行動する集団のこと
同じ目的を果たすために、各役割を担った人がひとところに集まった状態、
という感じでしょうか。
こちらは個々のメンバーの力が掛け算されて成果に繋がります

PMはこの「チーム」をきちんと動かしていくことが大事。
そのためにも、
・チームの目標
・メンバーの役割と責任範囲
・評価基準
この3つの明確化が必要であるということでした。

つまりこれ、チーム内部の仕組み化です。
実際人が集まると、すぐにプロジェクトに向き合ってしまいがちですが、
まずは内部できちんと体制を整えて仕組みを作ってから、
プロジェクトに取り組むという流れが大切なんですね。

そうしないと、いったいどこに向かい、何のために頑張っているのかわからなくなる。
誰が何を担い、どのように動いたら評価・成果に繋がるのかわからなくなる。
チームの力を健全に掛け算するためにも、まずは内部から整えること。

また、Mharuさんは「問題を言い合える」関係を築くことを大事にされていました。
意識的にチーム内の人をランチに誘ったり、飲み会を設定したりしながら、
普段思っていることを聞き出したりしているそうです。



3)Mharuさんのプロジェクトマネジメント7つ道具

個人的にはこちらが一番興味深い内容でした。
複数案件を抱えていると、「あれってどうなってたっけ?」
ということが起きてしまいがち。
それを防ぐためにもしっかりドキュメント化するのが大事。
Mharuさんは普段、以下の7つの資料を作っているとのことでした。

1. 体制図
プロジェクトに関わるメンバーを明確にし共有するための図。
・社内メンバー&外注先メンバー…誰が何を担当するかの明確化。
・お客様側の体制図…窓口、承認、決済など、キーパーソンの明確化。

2. ガントチャート
チーム内&お客様側のタスクの洗い出しと、それをスケジューリングしたもの。
定期的に確認・見直しをしながら、全体スケジュールを俯瞰する。

3. 施策マップ
お客様のビジネスモデル・施策を把握するマップ。
どんなチャネルを持っていて、どこで収益を上げているのかを一枚のマップに落とし込む。
それをもとに課題を見つけ出し、新しい提案をする。

4. 業務フロー図
リリースにいたるまでの業務の流れを見える化したもの。
おおまかな「やること」&「やる人」リストといった感じ。
お客様のチェックがどの時点で入るのかも明記しておくと◎。

5. 障害発生時のレポートライン
名前の通リ、何かあったときのための連絡網。
誰に何をいちばんに伝えるのか、担当者が不在の場合どうするのかなども
併記しておくことがポイント。

6. 予実管理表
チーム内での、売上・粗利率・予実乖離率を算出した表。
見積の金額で本当に良かったのか?
もし見積もっていた工数よりも実績工数が大幅にオーバーしていた場合、
何が原因だったのか?
次に活かして負担を少なくするために作るもの。

7. 振り返りシート
案件終了後にメンバー全員で振り返るときに使うシート。
続けたいこと、問題点、今後やりたいこと、
この3つを軸に反省会をする。
同じミスを繰り返さず、次回からの生産性を上げるため。
おそらくここで仕組み化の種が見つかるはず。

以上の7つがMharuさんの必須道具。
ぜ、全部ものすごく要るものだ!!と思ったので、
私もぜひ取り入れようと思います。



4)成果物に対するチェック基準

あととても気になっていたのが、できたものに対して
どのように「OK!これで納品だ!」とGOを出しているのか?ということ。

たとえばデザイナーがあげてきてくれたデザインに対し、
デザイナーではなプロマネがどういうふうに「OK」か「やり直し」かを
判断するのかなと疑問に思っておりました。

その質問に対し、Mharuさんは簡潔に
「論理的に矛盾していないかどうか」
で判断すると答えてくださいました。

そのデザイン、お客様の要望を満たしている?
ユーザーにとって使いやすい?
コンセプトとずれていない?
前やった失敗もっかいやってない?

好きとか嫌いとかではなく、ただただ論理的に判断する。
そうすることで、デザイナーにも的確な指示が出せるし、
お客様にも自信をもって説明できるということでした。



5)まとめ

プロマネをする上で、気をつけていることをいろいろうかがいましたが、
総じて言えるのは
仕事はひとりでするものじゃないということを理解する
ということだったと思います。

強みも、考え方も、価値観も異なる人間同士が集まったチームだからこそ、
みんなが使える、理解できる仕組みが大事。

みんなが気持ちよく働けるように、各人が最大限パワーを出せるように、
環境を整えてあげることがプロマネの仕事なんだなあと思いました。



余談ですがMharuさんはほぼ残業をしないそうです。
定時であがったあとは、書店で仕事に役立つ本を探して読むのが日課なのだとか。
まさにご自分の生活をマネジメントされているなあ…と見習いたい気持ちでいっぱいです。

おすすめされていた本、
『大工の棟梁に学ぶプロジェクトマネジメント』
『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則』
も読んでみようと思います。

Mharuさんありがとうございました!

野田

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